女嫌いなはずの御曹司が、庶民の私を離しそうにない。
とりあえず天才ではあるらしい。
▽
*˸
゜
チャイムが鳴ると同時に、さっと荷物をまとめて教室を出た。
一直線に向かった先は、校舎の奥の方にある旧視聴覚室。
加賀見先輩が何か謎の権限で貸切にしてくれた教室だ。
備え付けられているのがひと昔前の機器のため、現在はほぼ使われることがないらしい。
「はぁ……なんて贅沢な空間」
私はうっとりとした声をあげて、適当な机を選んで早速参考書を広げはじめた。
今日の授業で習ったばかりの問題をにらみつけながらシャーペンを走らせ、10分ほどが経った頃。
がらりと教室の扉が開いた。
「今日も早いな」
「お疲れ様です。せっかく貸切なんですから有効利用しないと」
加賀見先輩は苦笑いして、私から三つ空けた席に鞄を置いた。
やれやれ、時間か。
私はぱたんと参考書を閉じて、本日も腹立つほど整った顔をしているなあと思いつつ加賀見先輩に目を向ける。
「じゃあ、今日も始めるとしますか」
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チャイムが鳴ると同時に、さっと荷物をまとめて教室を出た。
一直線に向かった先は、校舎の奥の方にある旧視聴覚室。
加賀見先輩が何か謎の権限で貸切にしてくれた教室だ。
備え付けられているのがひと昔前の機器のため、現在はほぼ使われることがないらしい。
「はぁ……なんて贅沢な空間」
私はうっとりとした声をあげて、適当な机を選んで早速参考書を広げはじめた。
今日の授業で習ったばかりの問題をにらみつけながらシャーペンを走らせ、10分ほどが経った頃。
がらりと教室の扉が開いた。
「今日も早いな」
「お疲れ様です。せっかく貸切なんですから有効利用しないと」
加賀見先輩は苦笑いして、私から三つ空けた席に鞄を置いた。
やれやれ、時間か。
私はぱたんと参考書を閉じて、本日も腹立つほど整った顔をしているなあと思いつつ加賀見先輩に目を向ける。
「じゃあ、今日も始めるとしますか」