女嫌いなはずの御曹司が、庶民の私を離しそうにない。
お茶会なるものが開催されるそうで。
▽
*˸
゜
あっという間にやってきたお茶会当日は、吸い込まれるような晴天だった。
広々とした芝生の校庭に広がる、特設ティーパーティー会場。
生徒たちはそれぞれ美味しい紅茶を片手に和気あいあいと談笑している。
そんな中、どこの輪にも入れず静かに気配を消すぼっち女がいた。私だ。
完全に油断していた。
特待生は各学年3人ずつくらいはいるから、ぼっちになったとしても、それは私だけじゃないと思っていた。
だけど私以外の特待生たちは、入学してから今日までの間に、様々な努力をしてそれなりに友人をつくっていたらしい。
それならば私も今日この機会に人脈を広げようと思ったけれど、それも簡単にはいきそうになかった。
というのも、精一杯の勇気を振り絞って「あの、初めまして……」と声を掛けてみれば。
「ん? ああ、ちょうど良かった。ねえあなた、スプーン落してしまったから代わりを持ってきてもらえるかしら」
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あっという間にやってきたお茶会当日は、吸い込まれるような晴天だった。
広々とした芝生の校庭に広がる、特設ティーパーティー会場。
生徒たちはそれぞれ美味しい紅茶を片手に和気あいあいと談笑している。
そんな中、どこの輪にも入れず静かに気配を消すぼっち女がいた。私だ。
完全に油断していた。
特待生は各学年3人ずつくらいはいるから、ぼっちになったとしても、それは私だけじゃないと思っていた。
だけど私以外の特待生たちは、入学してから今日までの間に、様々な努力をしてそれなりに友人をつくっていたらしい。
それならば私も今日この機会に人脈を広げようと思ったけれど、それも簡単にはいきそうになかった。
というのも、精一杯の勇気を振り絞って「あの、初めまして……」と声を掛けてみれば。
「ん? ああ、ちょうど良かった。ねえあなた、スプーン落してしまったから代わりを持ってきてもらえるかしら」