女嫌いなはずの御曹司が、庶民の私を離しそうにない。
「これからまた何回も遊びに来ましょうよ」
「え?」
「私も楽しかったので。放課後デート」
次はファミレスもリベンジしないとね。
ああでも、電車対策考えるのが先かな。星彩学園の制服が目立ってしまうのなら、着替えを用意しておくべきなのかも。
「また誘っても良いのか?」
加賀見先輩が嬉しそうな声を上げた。
「毎日はダメですよ。たまに、息抜き程度でお願いします」
「わかっている」
「てかそんな大袈裟なことじゃないでしょ。お友達の天ヶ瀬先輩? とは遊びに行ったりしないんですか?」
「さすがに天ヶ瀬とデートはしたことないが……」
「そこでデート言うな。すんごい誤解が生まれますから」