女嫌いなはずの御曹司が、庶民の私を離しそうにない。
花火を見に行く=会場に行くという発想自体が庶民的だったらしい。
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一学期最終日の昼。
今日は午前中の授業で終わりなのでそのまま帰ろうと荷物をまとめていると、教室の後方が妙にざわついていることに気が付いた。
気になってそちらに目をやれば、出入り口付近に何やらオーラのある二人。
よく見ると加賀見先輩とその友達の天ヶ瀬先輩だった。
「川咲嬢~!ちょっとこっちおいで」
しかも挨拶したことすらないはずの天ヶ瀬先輩は、名指しで私に手を振ってくる。
この学園でも名の知れた、女子たちの憧れの的×2。
なにゆえ地味な庶民をご指名なのかと、好奇の視線が集まっている。
「えっと、なんでしょう」
突き刺さる皆さんの視線をくぐり抜け、私はどうにか二人の元へたどりつく。
「わ、やっと会えたね川咲嬢。はじめまして」
「はじめまして。あんま初めて会った気がしないですけど」
半分ぐらい西洋系の血が混ざってそうな美しい顔をした天ヶ瀬先輩は、優しく私の手を取って、ぶんぶんと優しくない勢いで握手をしてくださる。
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一学期最終日の昼。
今日は午前中の授業で終わりなのでそのまま帰ろうと荷物をまとめていると、教室の後方が妙にざわついていることに気が付いた。
気になってそちらに目をやれば、出入り口付近に何やらオーラのある二人。
よく見ると加賀見先輩とその友達の天ヶ瀬先輩だった。
「川咲嬢~!ちょっとこっちおいで」
しかも挨拶したことすらないはずの天ヶ瀬先輩は、名指しで私に手を振ってくる。
この学園でも名の知れた、女子たちの憧れの的×2。
なにゆえ地味な庶民をご指名なのかと、好奇の視線が集まっている。
「えっと、なんでしょう」
突き刺さる皆さんの視線をくぐり抜け、私はどうにか二人の元へたどりつく。
「わ、やっと会えたね川咲嬢。はじめまして」
「はじめまして。あんま初めて会った気がしないですけど」
半分ぐらい西洋系の血が混ざってそうな美しい顔をした天ヶ瀬先輩は、優しく私の手を取って、ぶんぶんと優しくない勢いで握手をしてくださる。