女嫌いなはずの御曹司が、庶民の私を離しそうにない。
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゜《side加賀見律弥》
「川咲嬢来てくれるってさ。良かったね~」
川咲と別れ、教室へと帰る途中。
天ヶ瀬はニヤニヤと楽しそうな笑みを浮かべてこちらをのぞきこんできた。
「その顔やめろ天ヶ瀬」
「お前のそういう顔、本当に新鮮」
「は?」
「それにしても加賀見はああいう子がタイプだったのか。顔見られて満足満足」
さらりと天ヶ瀬の口から出てきた言葉に、俺は思わず硬直した。
「おい、何を言って……」
「言っとくけど、お前めちゃくちゃわかりやすいからね。川咲嬢のこと好きなんでしょ? 単に怖くないってだけじゃないよなあの態度は」
「は!? 違っ」
そんなに勢いよく否定しては逆効果だと気付いたがもう遅い。
天ヶ瀬は呆れたようにため息をついた。
「ほーらこんなにわかりやすい。この調子でよく本人にバレないね。鈍感なのかなあの子」
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゜《side加賀見律弥》
「川咲嬢来てくれるってさ。良かったね~」
川咲と別れ、教室へと帰る途中。
天ヶ瀬はニヤニヤと楽しそうな笑みを浮かべてこちらをのぞきこんできた。
「その顔やめろ天ヶ瀬」
「お前のそういう顔、本当に新鮮」
「は?」
「それにしても加賀見はああいう子がタイプだったのか。顔見られて満足満足」
さらりと天ヶ瀬の口から出てきた言葉に、俺は思わず硬直した。
「おい、何を言って……」
「言っとくけど、お前めちゃくちゃわかりやすいからね。川咲嬢のこと好きなんでしょ? 単に怖くないってだけじゃないよなあの態度は」
「は!? 違っ」
そんなに勢いよく否定しては逆効果だと気付いたがもう遅い。
天ヶ瀬は呆れたようにため息をついた。
「ほーらこんなにわかりやすい。この調子でよく本人にバレないね。鈍感なのかなあの子」