規則正しく、清らかに。〜交際禁止を守りたいから、この2人をなんとかして?〜
間章.流星の面倒な幼馴染
****
しーちゃんは、ホント、メンドーな幼馴染。
まず第一に、鈍すぎ。
オレが、毎日飽きもせず、
部活終わりを待ってる理由も。
ちょっとでも長く、近くに居たくて、
わざと校章を外してるズルさも。
妬いてくんねーかなって、
あえて、性別を隠して転校生の話をする下心も。
あの時、アイツのそばで笑うしーちゃんを見て、
オレが不機嫌になった訳も。
なんも気づいてない。
あと、不器用。性格が。
手先は器用だけど。
しーちゃんの家で、いろいろあったことは、
そばで見てきたから、オレが一番よくわかってる。
けど、だからって、校則丸暗記までする?
交際禁止とか、誰も守ってねーよ。
みんな、裏でうまくやってんだよ。気づけよ。
んで、ド真面目だし、すげー頑固だから、
一度決めたら、ぜってーゆずらねー。
あとは、防御力がナイ。
そこそこカワイーし、
誰とでもカンタンに話すから、
勝手にホイホイ虫(男)が寄ってくる。
その度に、オレが追い払う。
大抵のヤツは、
オレがしーちゃんのヨコで、見せつけるよーにして、睨むだけで諦める。
けど。
睨み返してきたのは、アイツが初めてだった。
くそ、勝手に名前教えてんじゃねーよ。
もっと警戒しろよ。
こんなめんどーな幼馴染、なのに。
好き、って思っちゃう。
いつから好きなのか、あんまよくわかってない。
はっきりと気づいたのは、あん時…
一昨年、しーちゃんとこのおじさんが、
交通事故で亡くなって、その通夜の時。
しーちゃんは、
おっきい目からすげー涙流してんのに、
ゼンゼンぬぐったりしなくて。
気丈に、なんかを決意をしたような強い表情で、
棺の中のおじさんを見つめてた。
そんな姿見て、
オレがぜってー笑わせるって、おもった。
いまんとこ、怒らせてばっかだけど。
高校生になったら、
幼馴染から、一歩進むって決めたのに。
なんか、勝手にめんどい校則がある高校を選ぶし。
なんか、めんどーな奴も転校してくるし。
あーあ。はやくオトナになりてー。