規則正しい、三角関係!?〜交際禁止を守りたいから、2人とも邪魔しないで?〜
生徒心得(Ⅲ).嵐の翌日
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嵐の一日が明け、翌日の昼休み。
凛と共に、今日は忘れず持ってきたお弁当を食べる。
昨日の出来事について、まだ凛に話せていない。
やっぱり、なんとなく言いだしにくいし…
なんか、変な誤解されそうだし。
「ってゆーかさー、まだ見れてないんだよねー」
凛が、なんだか悔しそうに顔を歪ませている。
「何が?」
「ほら、昨日話した、噂の一年生」
「ああ、真澄く…………転校生のことね。」
「…マスミ?」
……しまった。
突然のことで、身構えてなかったから口が滑った。
「ねえ、いま、マスミって言った?」
自称イケメンハンター・凛の目が光る。
「ちがっ、えっと、ま、ます…ます……
ます、く…
そ、そう!マスク買わないとね!…って…話」
いや、失敗した。
同じクラスの流星から名前聞いたことにすればよかった。これじゃ、後に引けない。
「怪っしぃ。
栞、マスクなんてしないじゃん。
ってか、いきなりそんな話するわけないもん」
怪訝な顔で、凛が私を見る。
そりゃそうだよね。誤魔化せるわけないよね。
「…なに?もしかして。
転校生の名前、マスミくんなの?」
…ギクッ
「もしかしてもしかして、転校生と話したの!?」
……ギクギクッ
なんて勘の鋭い…。
ヘビのように目をした凛の顔を見れず、冷や汗が流れる。
『話したどころか、一緒に部活したんだー!⭐︎』
…などと、ノンキに報告しようものなら、
私に明日は来ないかもしれない。
「えっと……あの……その………
ちょ、ちょっと飲み物買ってくる!」
「コラ!逃げるなーー!!!」
ヘビに睨まれたカエル…もとい私は、
制止しようとする凛を振り切って、
体育館横にある自動販売機へ向かった。
走らないよう、競歩で。