規則正しい、三角関係!?〜交際禁止を守りたいから、2人とも邪魔しないで?〜
それからこの異質な一行は、
ぎこちなく、でも、なんとか会話を繋げながら歩みを進めた。
「あ、しーちゃん。みずがめ座、今日9位だったよ」
「ええ……なんか微妙……」
「『手首に注意』とか言われてた。
星座占いの神に、ボウリングすんのバレてんじゃん」
「流星くん!アタシの射手座は?」
「俺、かに座」
「……覚えてるわけなくね?」
そんな話をしてる間に、目的地に到着。
屋上に大きなピンが生えていて、
この辺りのランドマークにもなっている[南条ウルトラボウル]。
どうやら受付を行う前に、
専用の用紙に記入が必要みたいだ。
「えっと……
ここに4人の名前書いてけばいいよね?」
「しーちゃん、ストップ」
鉛筆を持つ私の手が、軽く抑えられた。
顔をあげると、まるで主審気取りの流星が、
真顔で『タイム』のポーズをしている。
「凛ちゃん。チョット」
……その後なぜか、凛と2人でお店の端の方に移動し、
コソコソと怪しい話し合いを始めた。
取り残された私と真澄くんは、
わけもわからず呆気にとられた後……
ゆっくり首を動かして、
2人同時に顔を見合わせた。
「……ふっ」「……ふふ」
お互いのキョトンとしている顔が面白くて、
私たちは、またも同時に吹き出した。
「なんの話してんだろね」
「なんすかね」
「あ、真澄くん。
サッカー部はどうだった?楽しくやれそう?」
「あ、ハイ。
みんなサッカーうまいし、ええ人らばっかで…
めっちゃ歓迎してもらいました」
「おー!それなら良かった。
お家の荷解きは?全部終わった?」
「ハイ、俺は。そない物も持ってないんで……。
弟の部屋は、まだぐちゃぐちゃですけどね」
「あ、弟くんいるんだ?
いーなあ、真澄くんみたいな優しいおにーちゃん」
「やさっ…………!?
「お待たせー!」
先に凛が戻ってきた。
………うわ。
悪い顔でルンルンとしている。
これは何か企んでいるな……。