規則正しい、三角関係!?〜交際禁止を守りたいから、2人とも邪魔しないで?〜
流星の様子は、かなり気になったが、
美術部や、各々のクラスの片付けがあるため、解散した。
「ねえ、凛…。流星、変じゃない?何か知ってる?」
「うーん…。
栞のこと、自分が助けたかったのかなぁーとは思ったけど…。
………あっ!!幼馴染として、とかって意味でね?!」
「わ、私のせい…………」
「あっ!いやいや!ごめん!
勝手な予想だから!違うかも!
単純に疲れちゃっただけかもよ!?」
凛はフォローしてくれるけど…
そうか。きっと私に責任があるんだ。
後で謝らないと…。
すべての後片付けが終わると、
在校生はグラウンドへと向かい、閉会式が行われる。
売り上げ3位達成クラスから順に発表があり、
優勝は…3年1組のお化け屋敷[地獄体験ツアー]だった。
大歓声が上がっている。
演出も凝ってたし、やはりと言った感じ。
分岐点があることで、「もう一度!」と挑戦するリピーターもいたようだ。
なんと、流星や真澄くんたちのクラスの[職業コスプレ喫茶]は、2位に輝いた。
惜しいところまでいったようだけど…。
噂によると、午後からの失速が痛かったようだ。
ほんとに悪いことをした。
閉会式のあとに待っているのは、後夜祭。
グラウンドの、ど真ん中に置かれた大きな焚き火を囲んで、
校内キャンプファイヤーをする。
クラスのみんなで、今日までの頑張りを労ったり、
友達同士で語ったり、歌ったり、踊ったり。
近隣住民に迷惑がないようにすれば、過ごし方は自由だ。
私は、流星を探しに出歩いた。
たくさんの人の中から見つかるかわからないけど。
「……ん?」
遠くの方に、不自然な人だかりが2つできている。
よく見てみると……女の子ばっかり。
その集いの中心人物は…どちらも男の子だ。
頭が1つ分以上抜けているから、目立つ。
あれ…もしかして。
いや、もしかしなくとも…
近づいてみると……やっぱり。
中心にいたのは、流星と、真澄くんだ。
周りの女の子を見ると、1年生だけではなく、
私と同じ学年の子や、3年生の先輩であろう人の姿も。
普段、部活以外で他学年と交流する機会がないから、
ここぞとばかりに集まっているんだな…。
あーあー。
流星の顔、かなり不機嫌そうだ。
この中には流星の言ってた好きな人、いないのかな。
真澄くんも、すっごく困ってる様子だ。
……。
……………。
…………………や、無理ですよ。
この中に割って入ってくのなんて。
私は踵を返し、凛の元へ戻ろうとした…
その時。
「なんでーーー!?」
「どこいくのーー!」
「うっせ、まじついてきたら殴る」
「えー、斉藤くん、こわーーーい」
「離せ、その声うぜぇ」
ついに我慢の限界が来たのであろう流星は、
周囲の女子を跳ね除け、
1人で校舎の方へと向かっていく。
ちょ、そんな冷たくしたら、
流星ファン?の女の子たち泣いちゃうんじゃ…
と心配になったけど。
「ちぇー、仕方ないね」
「うん…。それじゃあ…」
「「「真澄くうーーん」」」
……彼女たちは思ったよりも強かで、
真澄サークルが巨大化しただけだった。
……ごめん、真澄くん。私は無力だ。
心の中で謝罪し、こっそり流星の後を追う。