お嬢さまですもの!
 髪と衣装に気を取られてしまったのかもしれない。

 よく見れば、瞳の色以外にも、重ならないところがある。

 まあ、五年も前のことだし、ミレーヌは大学に通っていてもおかしくないもんね。

 ミレーヌと九条先輩が別人だとハッキリして、ガッカリした気持ちと、どこかホッとした気持ちと……。


「真剣に【お嬢さま道】を(きわ)めたい、とお考えの方の挑戦をお待ちしておりますわ!」


 九条先輩の凛とした声が、体育館に響きわたった。
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