お嬢さまですもの!
「桜子ちゃんを……?」


 驚いて、まじまじとわたしを見る理央くん。

 わたしは、あわてて声を荒げた。


「かのんてば! なんでわたしが!?」

「桜子も部活どうするか迷ってるんでしょ? ふたりで入部テスト受けてきなよ」

「あのねー」

「受かったら受かったで、どうするか、そのとき決めればいいじゃない?」


 かのん、なんだかおもしろがってない?


「そうしよう! はい! 決まり!」


 かのんはひとりで盛り上がってる。

 こうなったら、もう、かのんは止められない。

 わたしはあきらめて、ため息まじりに言った。


「……受けるだけだからね」
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