お嬢さまですもの!
6 執事の素顔
水曜日の放課後――。
わたしは、新校舎の裏側に回って、旧校舎へと向かった。
今日は『お嬢さま部』の活動日。
部室に突撃して、ミレーヌのことを聞いてみよう。
そう決心して、ミレーヌのハンカチも持ってきたけれど……。
旧校舎の薄暗い昇降口が見えてきたら、その決心も一気にしぼんでしまった。
「ダメだぁ……」
高飛車な“お嬢さま”たちの顔と、雪平先輩の冷たい表情が思い浮かんで、足が前に進まない。
どうせ「落ちたくせに、何の用ですの?」って言われるだろうし。
わたしは、引き返したり、また戻ったりをくり返して、とうとう旧校舎の周りをウロウロと歩き回った。
今日は理央くんはいないしなぁ。今日から柔道部に仮入部するらしいし。
わたし、昔から、ひとりじゃ何もできない。
舞とは学校が別になったし、かのんもバスケ部で忙しくなるだろうし。
誰かに頼るんじゃなくて、もっと強くならないといけないけれど……。
気がつけば、わたしは、旧校舎と新校舎にはさまれた中庭に来ていた。
「わあ、きれい!」
中庭の一角に、レンガで囲われた花壇があって、色とりどりの花々が咲き誇っている。
わたしはしゃがみこんで、花に見とれた。
こんなところに花壇があるなんて知らなかったよ。
生徒はあまり近づかない場所だし、わたしだけの秘密の花園だあ。
わたしは、新校舎の裏側に回って、旧校舎へと向かった。
今日は『お嬢さま部』の活動日。
部室に突撃して、ミレーヌのことを聞いてみよう。
そう決心して、ミレーヌのハンカチも持ってきたけれど……。
旧校舎の薄暗い昇降口が見えてきたら、その決心も一気にしぼんでしまった。
「ダメだぁ……」
高飛車な“お嬢さま”たちの顔と、雪平先輩の冷たい表情が思い浮かんで、足が前に進まない。
どうせ「落ちたくせに、何の用ですの?」って言われるだろうし。
わたしは、引き返したり、また戻ったりをくり返して、とうとう旧校舎の周りをウロウロと歩き回った。
今日は理央くんはいないしなぁ。今日から柔道部に仮入部するらしいし。
わたし、昔から、ひとりじゃ何もできない。
舞とは学校が別になったし、かのんもバスケ部で忙しくなるだろうし。
誰かに頼るんじゃなくて、もっと強くならないといけないけれど……。
気がつけば、わたしは、旧校舎と新校舎にはさまれた中庭に来ていた。
「わあ、きれい!」
中庭の一角に、レンガで囲われた花壇があって、色とりどりの花々が咲き誇っている。
わたしはしゃがみこんで、花に見とれた。
こんなところに花壇があるなんて知らなかったよ。
生徒はあまり近づかない場所だし、わたしだけの秘密の花園だあ。