お嬢さまですもの!
8 特訓スタート!
 翌朝――。


「桜子、すごいよ! おめでとう!」


『お嬢さま部』への入部が認められたわたしを、かのんが祝福してくれた。

 うれしいけど、ちょっと声が大きいよ~。

「しーっ」って人さし指を立てたものの、もう遅かった。


「どうしたの?」

「えっ、加賀美さん、『お嬢さま部』に入ったの? すごい!」

「ええーっ!? 全員不合格って聞いてたけど……」

「なに、なにー?」


 ほら、クラスのみんなが集まってきちゃったじゃん!


「か~の~ん~」


 わたしがぎろりとにらむと、
「ごめーん!」
 って、手を合わせて謝るかのん。


「でもさ、名誉なことだよ。今年の新入生で、桜子だけだもん。胸を張りなってば」


 うれしそうにしてるかのんを見てると、あまり文句も言えない。

 クラスメイトの女の子たちが盛り上がっていると。


「――桜子ちゃん」


 理央くんが遠慮がちに声をかけてきた。


「あっ、理央くん、おはよう……」

「おはよう。……桜子ちゃん、『お嬢さま部』に受かったの?」

「うん……。なぜか、そういうことになったみたい……」

「わあ、おめでとう!」


 満面の笑みを浮かべる理央くん。


「ありがとう……」


 なんだか気まずい。いっしょに受けたのに、わたしだけ受かったんだもん。
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