英雄は時を駆ける~エリート将軍の年上花嫁~
「シャルル。私ここ最近、考えていたのですけれど」
「うん、何かな」
「子どもの名前を、オーレリアンにつけてもらうのはどうかと」
少し緊張しつつリリアーヌが口にすると、こちらを見たシャルルは笑顔でうなずいた。
「いいな、そうしよう」
「よろしいのですか?」
「もちろん。オーレリアンは、君とお腹の子を守ってくれたんだ。僕たちの大切な親友で、君を守ってくれたヒーローからもらった名前なんだよ、と言えばきっと、この子も喜ぶだろう」
シャルルがそう言うので、リリアーヌはほっとした。
「シャルル……ありがとうございます」
「問題は、あいつが素直に名付け親になってくれるかどうかだが……断られたらそこまでだけれど、受け入れてくれると嬉しいな」
「そうですね。生まれるまでは男の子か女の子か分からないので、二人分考えてくれたら嬉しいです」
「そうだな。あいつがつけてくれる名前なら、僕も嬉しいよ」
そう言ってシャルルは微笑み、そっとリリアーヌの頬にキスをした。
「愛しているよ、リリィ。僕の大切な、補佐官。僕の愛する、お嫁さん」
「私も、愛しています、シャルル。私の……恩人。私の大好きな……旦那様」
リリアーヌも背伸びをしてシャルルの頬にキスを返したところで、玄関先で馬のいななきが聞こえた。どうやら、オーレリアンの乗る馬車が到着したようだ。
「来たかな」
「そのようですね」
二人は顔を見合わせて微笑み合い、玄関ドアを見る。
そしてそこが開かれて赤髪の青年の姿が見えると、声をそろえて言った。
「いらっしゃい、オーレリアン!」
聖王暦四十六年の、春。
照れたようにはにかむ親友の肩越しに見える夕焼け空は、どこまでも美しかった。
「うん、何かな」
「子どもの名前を、オーレリアンにつけてもらうのはどうかと」
少し緊張しつつリリアーヌが口にすると、こちらを見たシャルルは笑顔でうなずいた。
「いいな、そうしよう」
「よろしいのですか?」
「もちろん。オーレリアンは、君とお腹の子を守ってくれたんだ。僕たちの大切な親友で、君を守ってくれたヒーローからもらった名前なんだよ、と言えばきっと、この子も喜ぶだろう」
シャルルがそう言うので、リリアーヌはほっとした。
「シャルル……ありがとうございます」
「問題は、あいつが素直に名付け親になってくれるかどうかだが……断られたらそこまでだけれど、受け入れてくれると嬉しいな」
「そうですね。生まれるまでは男の子か女の子か分からないので、二人分考えてくれたら嬉しいです」
「そうだな。あいつがつけてくれる名前なら、僕も嬉しいよ」
そう言ってシャルルは微笑み、そっとリリアーヌの頬にキスをした。
「愛しているよ、リリィ。僕の大切な、補佐官。僕の愛する、お嫁さん」
「私も、愛しています、シャルル。私の……恩人。私の大好きな……旦那様」
リリアーヌも背伸びをしてシャルルの頬にキスを返したところで、玄関先で馬のいななきが聞こえた。どうやら、オーレリアンの乗る馬車が到着したようだ。
「来たかな」
「そのようですね」
二人は顔を見合わせて微笑み合い、玄関ドアを見る。
そしてそこが開かれて赤髪の青年の姿が見えると、声をそろえて言った。
「いらっしゃい、オーレリアン!」
聖王暦四十六年の、春。
照れたようにはにかむ親友の肩越しに見える夕焼け空は、どこまでも美しかった。