英雄は時を駆ける~エリート将軍の年上花嫁~
『旦那様』
かつてのリリアーヌの声が、耳の奥でこだまする。
愛していた。オーレリアンは彼女のことを――たとえその形が歪なものだったとしても、確かに愛していた。
そして同じくらい、シャルルのことも大切だった。生意気なところもあるがかわいい弟分で、こいつにならついていってもいいと思える上官だった。
これからもずっと三人で笑い合っていたい、と願っていた。
だからこそ。
(大丈夫だ、リリアーヌ)
オーレリアンが必ず、彼女のことを「リリィ」と呼んでくれる男性のもとへ、送り出してやるから。
かつてのリリアーヌの声が、耳の奥でこだまする。
愛していた。オーレリアンは彼女のことを――たとえその形が歪なものだったとしても、確かに愛していた。
そして同じくらい、シャルルのことも大切だった。生意気なところもあるがかわいい弟分で、こいつにならついていってもいいと思える上官だった。
これからもずっと三人で笑い合っていたい、と願っていた。
だからこそ。
(大丈夫だ、リリアーヌ)
オーレリアンが必ず、彼女のことを「リリィ」と呼んでくれる男性のもとへ、送り出してやるから。