秘密の好き、先生との約束

2年目の夏

先生と軽い会話ができるようになって3ヶ月ほど。
私は、先生とよく放課後にほんの1、2分会話するようになっていた。
先生から声掛けて貰えるようになって私はそれに答えるくらいなんだけど。

「斎藤〜今日の授業のことでさ、みんなちんぷんかんぷんで、俺難しくしすぎたかって思ったんだけどお前だけは出来てただろ?」

「え?……あー、、単純に私が生物得意なのかもしれないです」

「そういうもんか。次も同じところを細かくやるけどお前つまらなくならないか?」

そんなこと聞いてくれる先生初めてなんだけど。先生は俺は本気だぞ〜ってクスッと笑った私に軽くペシっとノートを頭の上に乗せる。
先生の授業、先生の声聞きたくてやっているから気にならないなんて言えないけど、

「みんなが理解するほうが先生嬉しそうなので、1人の生徒のこと気にしなくていいんじゃないんですか?」

「お前は真面目で大人なこと言うよな……そういうもんなんだよな」

先生は、ありがとう。じゃ俺は部活の顧問でもしにいきますか。って、その後に

「斎藤、部活ないなら気をつけて帰れよ〜」

って先生はそう言って教室を出ていった。
先生の声で、名前を呼ばれる嬉しさに浸ってもいいよね
私は先生の声を思い出しながら好きなんだって毎回改めて感じている。
家に帰ってもずっと残る先生の声。先生は、私にいつも優しく声掛けてくれるんだよなってずっと心の中で呟いた。先生って本当に誰に対しても優しくて生徒に人気で好かれるんだもん
完璧な人……だよね。
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