秘密の好き、先生との約束
夏の期末、それを終えた日。最終日テスト終わりで色んな生徒が遊びに行くだとか……今日早く帰れるの嬉しいだとか言っていた。
私は先生に会う時間が無さすぎてつまらなかったけど。
そんなこと考えてたけどあの熱中症のことから先生は割と頻繁に心配してくる。
クラスの他の子も気になっちゃうくらいに。

「斎藤さんって日高先生のお気に入りだよね」

その言葉に、胸がチクリと痛む。そんなつもりで近づいてないし……私からは気に入られようとしてないから
変な誤解をされていそうでその言葉に含まれる意味を頭の中でぐるぐると考えていた。
だからテスト終わった安心感よりも終わったことでみんなの思考の中に私と先生の話が持ち上がりそうで怖い。
正直体調も回復していないからマイナスに思うのかもしれないけど。

部活は無いし、私は帰る支度をして外に出た。
夏は本当に苦手。この日差しに困っていたら

「斎藤〜大丈夫かぁ?」

「あ、先生。大丈夫ですよ」

「顔色は良くないけどな、帰りだよな」

「帰りです。帰るだけなので大丈夫ですよ」

「そ?……斎藤、クラスのやつがさお前に声かける俺の事何か言ってなかったか?」

突然言われるその言葉に、私は動きを止めた。何を言われているんだろう私……。先生が申し訳なさそうにしているので私はどう言っていいものか分からなくて…黙っていた。

「斎藤、否定もしない様子ってことは近いことは言ってたんだな?」

「…先生が申し訳なさそうにする必要はないと思います。私も先生に声掛けてはいますし……」

「お前に迷惑かける状態なら考えるものもあるし…お前に何か言ってくる感じがないならあまり変えなくてもいいかもな」

先生は悪かったなこんな話って言って私の前から去っていく先生、先生は何を聞いたんですか?なんて聞けなかった
< 19 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop