秘密の好き、先生との約束
保健室の先生もこれを見て、いつから体調悪いの?って。それだけ体調悪く見えてるんだ。
夏は苦手だ、って本当に毎回思うんだ。

「俺も担任で朝確認してるのに気づいてやれなくて悪いなほんと」

「気づかれないようにしてる、ので……気づけなくても気にしないでください。
よくある事なので」

「お前さ、そうやって自分の意見殺すの好きなんだ。どんな事でもお前の意見は出てこない……わざとって分かってたけど体調の事までそうするのは違わないか?」

先生は、座ってる私の顔をしっかり見て…真剣な表情で言う。
保健室の先生はその辺にしてあげてくださいって言ってたんだけど日高先生は私に

「我慢とか無理とかすんなって何度か言ったと思うよ俺」

そういった先生は、いつもと違ってちょっとだけ怖く感じた。2週間くらい前の無理すんなって言った話と同じ話なのに雰囲気が全然違う。
萎縮して、何も話せない私に先生は今日はこのまま帰れるなら帰りなさいって言った。
その状態じゃ午後の授業も出来ないだろうって。
それには保健室の先生も同じこと言ったけど、先生の声がなんか少し怖くて
頷くことも否定することも出来なかった。

「斎藤、俺ちゃんと言ってるけど答えてくれないわけ?」

「……先生」

「泣いて…るのか?」

その声に自分がどうして涙を流したか分からずごめんなさいしか口にできなかった。
謝ることで何か変わるとも思えないけど
何度もそう言う私に日高先生が、もう謝んなって、俺が悪いなにか追い詰めさせたかもしれないって。
保健室の先生が気を利かせてくれて1度席離すので日高先生、ちゃんと斎藤さんと話してくださいねって。
なんで、先生困らせちゃったんだろう……
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