秘密の好き、先生との約束

2年目の夏〜side日高悠斗〜

俺は教師になった。念願の教師、そんな俺は皆にちゃんとした高校生活を送ってもらいたいその気持ちで取り組んできた。
今年は、去年の持ち上がりで2年のクラス担任。

そんな俺には、1つずっと思っていることがある。去年もクラスにいて、今年も俺のクラスの斎藤美羽が気になっていること。
そんなの言ってたら教師としておかしな話。
だから、絶対言わないし間違いは起こさない。
でも、斎藤は気になることばかりしてくる。進路の調査用紙提出させたらほかのやつの字で書かれてるし、
話を聞いたら親と上手く話せてないし……、夏の今は体調を崩しやすいのか、授業始めようとしたら
倒れそうになるし。

正直心配が尽きない。
俺はこいつに執着してるせいか、声掛けてしまうことが多い。
そのせいで、先生と生徒の距離感とはまた別な感覚になってしまう。
クラスのヤツらにもどうして斎藤と話すのって聞かれる始末、職員室でもちょっと居づらい雰囲気

「ダメだなぁ俺。」

家のベランダで酒を飲みながら空を見上げた。
そこから数日、あまり斎藤に声をかけないようにした。
体調の変化は気にしてはいたけど
まさか、水泳中に体調崩して保健室に行くとは……斎藤と西川を見て
思わず声掛けてしまった。何やってんだ俺……

「あれ、西川。と……斎藤?」

「先生!私じゃ美羽おんぶとか出来ないからお願いしたい!」

「今日って水泳だったっけ。髪濡れてるし……ぐったりしてんなぁ…わかった、保健室連れていくよ」
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