秘密の好き、先生との約束

文化祭

準備をするようになって、すぐのこと
何だかんだクラスの人たちも少し前よりは協力してくれてる様子で……まぁ、先生がいるからなんだけど。
それでもやってるなら別にいい。
デザイン案も決めてもらったので私は手書きでメニュー表を書いていた

「美羽の字体っていつもはキレイだけど今回は少し可愛い感じになってるね」

「え?……あ、それはカフェの雰囲気に合わせただけだよ。大人っぽいカフェなら全く違うだろうし可愛らしいカフェをモチーフにするならこういう形ってだけ」

「そーなんだ。先生も褒めてたし、というか日高先生美羽のデザイン案の見本全部褒めてたよね
……どんだけ先生美羽のこと好きなの」

みんなには聞こえない程度に最後の言葉を話して、ニヤニヤしてる。そんなこと言われても正直好きとかも言われてないのが現実、しかも電話もしてない訳で。メッセージのやり取りなんてもっと無い。
先生が用事ある時以外っていう形だもん。今の関係が何って聞かれても答えられないレベル。

「西川〜話してないで手を動かせ〜」

「先生こそ、手伝ってよ!こっちラミネートも手張りなんだけど〜」

「分かったよ、家にあるラミネートの機械持ってきてやるよだからラミネートは明日でいいわ」

「まじ?じゃあ先生画用紙のカットはお願い」

「お前教師使うとかないわ。……てか、敬語〜」

遥がデコピンくらってる……。でも遥のお陰で、私のところで作業してくれる。

「ね、良かったでしょ」

「遥、いきなりするから驚くんだけど……ま、助かるのでいいんですけどね〜」

なんて何とも言えない返しをしつつ作業。
放課後なのに部活がある人以外残ってくれてるの新鮮……
1時間くらいしたら残ってるのは私たちと先生だけだった。
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