秘密の好き、先生との約束
「先生…でたらめを書いたわけじゃないです」

「そんなのお前のこと知ってるから、デタラメ書くようなやつ、書かせるやつとは思ってねぇよ?
そうじゃなくて、代筆なのはどうしてってこと」

「…私、行きたいのは……遥が書いてくれたこれです。でも、親と上手く話せてなくて…親は大学でろって」

「親はそういうよな、分かるよ。あの大学いけよ〜とか成績見ながら言ってくんだよな〜」

そう言って、お前の親去年の三者面談でもそんなこと言ってたもんな。メモしたの覚えてるわ。
そんなふうに去年のことまでしっかり覚えてくれていた

「…だから、悩んで書けなくて…。でもなりたいものの話を昼休みに遥としてて…そうしたら」

「勝手に代筆したと。なるほどねぇ……お前がどういったところで勉強したいとか、学校まで決めているなら俺にも教えてくれ。それを調べてやる一緒に…担任としてというか学校としても大学は奨めるに値してしまうけど、生徒がどんな学校を希望してるかくらいは担任として知ってやりたい」

だから、お前は自分のやりたいことに蓋をするなって先生は言った。
個人面談までに、行きたいところ、とか何か少しでもあるならちゃんと学校名も教えてくれ。なんて言ってくれて…家に帰れば口論になるその苦しさをわかって貰えた気がして…嬉しくなった。

「じゃあ、お前は〜そっか今日は美術部部活ない日か。気ぃつけて帰れよ」

「え、先生…色んな部活の活動日知ってるんですか?」

「俺は物知りだからな!…って言ってないで早く帰れ〜」

先生は、そういった後多分小さく…無理すんなよって言ってくれた気がする。
< 7 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop