雨のち、恋。
「あ、華恋先輩。
家まで送ります。
休みの日に姉の用事に付き合ってもらったお礼です。

こんなんじゃ、お礼にならないかもしれないですけど。

安心して下さい?
送り狼にはなりませんから。

そこまで飢えてないんでね」

いつからいたんだろう。

三上が店の外にいる私に声を掛けてくれた。

「姉貴のやつ、言うだけ言ってさっさと帰って。
まるで台風みたいな女だな、ホント。

悪く思わないでくださいね?
昔からああいう人なんですよ、姉貴」

「華恋先輩は知ってましたよね?
姉貴に世界史習っていたんでしょうから」


家までは電車に乗って数駅なのに。

駅までの間はお互い無言だった。

多分、話しかけられても上手く反応出来なかったと思う。

夏南センセイに言われたことが、頭の中をぐるぐる回っていたからだ。

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