雨のち、恋。
こういうところ、ちゃっかりしてるなぁ。

人懐っこくて、私を含めた先輩から愛されるゆえんか。

私だけじゃなく、他の同期からもモテモテなので、なんか腹立つけど。

なんか、こんなこと考えてるの、三上くんのこと好きみたいじゃない!

そんなことない、絶対にない!

何度も頭を振って、脳内に浮かんだ雑念を振り払う。

「美川先輩、タクシー呼びましたんで、一緒に帰りましょう。
と言っても、たまたま仕事帰りにデートしていた姉貴を呼びつけただけなんですけどね。

……あと5分くらいで来るそうなんで。

もう眠そうですけど、寝るなら車の中にしてくださいってば」

「ありがと」
「ほら、もう着きましたから車乗ってください」

お酒に弱いわけではないが、お酒が回ると途端に眠くなる。
なんで、この後輩はここまでしてくれるんだろう。

こんな私の、どこを好きになる要素があったのだろう。
そんなことを考えながら、眠りに落ちた。


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