パパに会いたいだけなのに!
「え……マジ?」
「え?」
「それだよそれ! 果音すげーじゃん! ダンス経験者?」
わたしは首を横に振る。
「スポーツは得意な方だと思うけど、ダンスなんて体育の授業で習ったくらいしかやったことな——」
わたしと拓斗は顔を見合わせる。
「これってもしかして、ショーンの遺伝子……だったりする?」
「ありえるんじゃねえ? この前から思ってたけど、果音ってなんとなく目がショーンに似てるし。なんていうか色素が薄いっていうのか」
「え!?」
拓斗に指摘されて、レッスン室の大きな鏡で自分の顔をのぞき込む。
たしかに少し、茶色っぽいし少し緑っぽいような……。
「自分の目なんて、毎日当たり前に見てるから、逆にじっくり見たことなくて気づかなかった」
「ショーンって、たしかイギリスの血が入ってるはず」
「じゃ、じゃあ、やっぱり……」
ショーンがわたしのパパ!
< 59 / 118 >

この作品をシェア

pagetop