パパに会いたいだけなのに!
誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)めいたものもふくめて、たくさんのネガティブな言葉が並んでいる。
だけど正直、書いてあることはひとつも間違っていないと思う。
「これ……全部その通りじゃない?」
「あ、やっぱり果音ちゃんもそう思う?」
理澄くんの言葉に小さくうなずく。
ショーンは拓斗の努力を知ろうともしないで、ここに書いてあるコメントと同じようなひどいことをたくさん言っていた。
「これでレッグじゃなくてフィリックが歌番組に出れるんじゃないかな〜」
理澄くんはどこかうれしそうだ。
「ショーンさんもさすがに調子に乗りすぎてたとこあるからさ、しばらく休んで反省した方がいいと思うんだよね」
「果音も同じ意見?」
拓斗がわたしをジッと見る。
「ん、うん……だって、ひどかったもん」
「わかった。じゃあ、この件はここまで。ムジカに任せて俺たちはドラマと新曲頑張ろう」
ひどいことを言われたのは拓斗なのに、どうしてそんなことを聞いてきたんだろう。

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