悪役教師は、平和な学校生活を送りたい

試験の朝

 本日は、生徒たちの今後だけでなく、ディアナの未来をも左右しかねない進級試験の日。

 ディアナは試験には直接関われなくて基本的にずっと待機だが、朝になったら皆に一言声を掛けようと思っていたし、試験中もたまに様子を見たりしたかったので、早起きをする予定だった。

 それなのに。

(……何、だろう……すごく、眠い……)

 うつらうつらとしながら、ディアナは必死に眠りに抗おうとした。

(あれ、私、ちゃんと自分の部屋のベッドで寝たっけ……?)

 押し寄せてくる眠気を押し返しながら、必死に考える。

 昨日は夕方に、リュディガーに生徒指導を行った。その後、エルヴィンと一緒に雲を見て、それから職員室に戻ろうとして……。

(あ、だめ。すごく、眠い……)

 何か思い出しそうだったのにそれは叶わず、ディアナは再び眠りに落ちていった。
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