悪役教師は、平和な学校生活を送りたい
 眠い。
 眠いけれど、起きたい。

(今……何時? ここは、どこ……?)

 目を覚まそうと腕を伸ばしてもがくが、何も掴むことができない。
 まぶたは重いし、目を開いても周りは黒一色なのだろうという予想が付く。

(起きないと……皆におはようって言って、送り出さないと……)

 早く、早く、と気持ちは焦るのに、体が全然追いつかない。

 そしてやがて必死な気持ちも黒い闇に押しつぶされ、何度目か分からない不快な眠りに落とされていった。
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