悪役教師は、平和な学校生活を送りたい
エルヴィンの対戦相手は、すぐに動いた。先ほどエルヴィンに言い返されたのも癪だったのかもしれない。
「失せろっ、落ちこぼれクラスがぁっ!」
うなり声と共に、彼の剣が白い雷光を纏う。目もくらむようなその雷の量から、彼は体格がいいだけでなく相当な魔力を持っているのだと分かる。
魔法にも相性があり、風で吹き飛ばせる火や氷はともかく、雷は風では防ぎにくい。
だが、エルヴィンは落ち着いた様子で自分の剣に柔らかい風の魔法を纏わせると剣先を地面に向け、ぽんっと軽く飛び上がった。雷を纏った剣があっさりかわされ、男子生徒が怒鳴り声を上げている。
「てめぇ! 男なら逃げるんじゃなくて受け止めてみせろ!」
「いや、戦い方に男も女もないだろう。戦場では……強くて賢い者が勝つんだ」
「この野郎……!」
当てこすられたと分かったのか相手はますますカチンときたようで、剣を構えて突進する。
エルヴィンはまたかわそうとしたのか、剣を地面に向けて――
「……っ!?」
「シュナイト君!」
なぜか宙に飛ばず、真正面から雷の剣を受け止めた。
バチバチッと雷と風がぶつかり、はじける。
だが彼はすぐに身をよじらせると、するりと通り過ぎるように横に身を滑らせ、剣先からすさまじい威力の風の刃を放った。
土埃が舞って男子生徒は慌てて魔法剣を構えるが、バチッと弾けた白い光にかすかに目を細めた。
「ちっ……!」
「雷魔法は強力な分、音や閃光で術者本人の行動が阻まれることもある。……残念だったな」
相手がためらった一瞬の隙を突き、エルヴィンは風の出力を調節すると男子生徒を吹き飛ばした。
悲鳴を上げた男子生徒の手から魔法剣がすっぽ抜け、エルヴィンの足下に落ちる。
(……すごい、勝った……!)
「シュナイト君! おめでとう!」
ディアナが叫ぶと、対戦相手の剣を拾って渡していたエルヴィンが振り返り、軽く手を上げて応えてくれた。
「失せろっ、落ちこぼれクラスがぁっ!」
うなり声と共に、彼の剣が白い雷光を纏う。目もくらむようなその雷の量から、彼は体格がいいだけでなく相当な魔力を持っているのだと分かる。
魔法にも相性があり、風で吹き飛ばせる火や氷はともかく、雷は風では防ぎにくい。
だが、エルヴィンは落ち着いた様子で自分の剣に柔らかい風の魔法を纏わせると剣先を地面に向け、ぽんっと軽く飛び上がった。雷を纏った剣があっさりかわされ、男子生徒が怒鳴り声を上げている。
「てめぇ! 男なら逃げるんじゃなくて受け止めてみせろ!」
「いや、戦い方に男も女もないだろう。戦場では……強くて賢い者が勝つんだ」
「この野郎……!」
当てこすられたと分かったのか相手はますますカチンときたようで、剣を構えて突進する。
エルヴィンはまたかわそうとしたのか、剣を地面に向けて――
「……っ!?」
「シュナイト君!」
なぜか宙に飛ばず、真正面から雷の剣を受け止めた。
バチバチッと雷と風がぶつかり、はじける。
だが彼はすぐに身をよじらせると、するりと通り過ぎるように横に身を滑らせ、剣先からすさまじい威力の風の刃を放った。
土埃が舞って男子生徒は慌てて魔法剣を構えるが、バチッと弾けた白い光にかすかに目を細めた。
「ちっ……!」
「雷魔法は強力な分、音や閃光で術者本人の行動が阻まれることもある。……残念だったな」
相手がためらった一瞬の隙を突き、エルヴィンは風の出力を調節すると男子生徒を吹き飛ばした。
悲鳴を上げた男子生徒の手から魔法剣がすっぽ抜け、エルヴィンの足下に落ちる。
(……すごい、勝った……!)
「シュナイト君! おめでとう!」
ディアナが叫ぶと、対戦相手の剣を拾って渡していたエルヴィンが振り返り、軽く手を上げて応えてくれた。