悪役教師は、平和な学校生活を送りたい
 ディアナを中心に、補講クラスの生徒たちが集まっている。
 その様子を、フェルディナントは少し離れたところで見ていた。

「……」
「あっ、アルノルト先生。私たち、これから負傷者の手当をするので、見ていてくれませんか?」

 考え事をしていたら、聖属性の生徒たちに声を掛けられた。

「ん? ああ、そうだね。行こうか」

 フェルディナントはそれまで浮かべていた難しい表情を引っ込めると、微笑んだ。
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