悪役教師は、平和な学校生活を送りたい
 エルヴィンが遅れて到着してからの戦いは、生徒たちの形勢逆転となった。
 象魔物も半壊滅状態だった敵が一気に盛り返したことに怯えたようで、リュディガーの炎とツェツィーリエの雷を喰らい、今度こそ倒れて動かなくなった。

「っ……みんな!」

 光の壁が解除され、すぐにディアナは駆け出した。
 六人は肩で息をついていたりへたり込んだりしているが、皆ディアナを見ると微笑んだ。

 生きている。
 六人とも、生きている。

「よかっ……た……!」
「先生!」
「あたしたち、頑張りました!」
「先生……!」
「約束しただろ、先生。最後まで戦ってみせる、ってな」

 安堵のあまり涙腺が緩んだディアナに女子三人が飛びついてきた。
 リュディガーもからりと笑っており、彼に支えられたルッツも青い顔ながら微笑んでいた。
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