悪役教師は、平和な学校生活を送りたい
その後、ディアナはフェルディナントから授業のやり方や学校生活などについて教えてもらった。
スートニエ魔法学校は全寮制で、教員も独身者は宿舎棟で暮らしている。今頃ディアナの荷物は、男爵家の使用人たちが運んでくれているはずだ。
「それから気になっているだろう、一年補講クラスの生徒名簿ね」
フェルディナントが渡してきたのは、数枚の紙を綴じた薄い冊子だ。表紙には、「四十九期生一年補講クラス名簿」とでかでかとした字で書かれている。
緊張しつつ表紙をめくると、目次のような形の生徒名一覧があった。
(もしかしなくても、ゲームで出てきたキャラの名前が……あ、あった!)
縦に並んだ名前の五番目に、ゲームの恋愛攻略対象の一人であるリュディガー・ベイルの名前が。
彼は「ちょっとチャラい色男」キャラで、ヒロインの一つ先輩。人気投票で同級生の王子様を抑えて堂々と一位を獲得したのが、この男だったはずだ。
(ということは、ヒロインが入学するのは次の春で決定ね……って、あれ? リュディガーは、補講クラスだったの?)
ゲームでのリュディガーは普通の二年生で、ヒロインに年上の色気で迫ってくるキャラだったはずだ。前世の自分もリュディガーは結構気に入っていたので、彼のルートは何回かプレイしている。
だが、彼が一年時に補講クラスだったというのは初耳だ。ゲーム内で聞ける情報は、「ちょっとやんちゃしている」くらいだったと思う。
(……ええと、ええと。ゲームでもディアナが補講クラスを担任したのだったら……少なくともリュディガーは進級できて、他にも最低二人は二年生になれたってことかな……?)
ゲームに出てくるからには、ディアナも正式採用されたはず。
ということは、リュディガーに関してはディアナが少々手を抜いても勝手に進級してくれる……のかもしれない。
もう一枚めくると、各生徒についての情報がまとめられていた。名簿は、身分順で並んでいるようだ。
番号一番、ツェツィーリエ・マルテ・ヴィンデルバンド。
ヴィンデルバンド侯爵家令嬢で、魔力は高くて基礎学力も身についているが、コントロール力が壊滅的。先の試験では魔法実技で雷魔法のコントロールに失敗して、同級生数名を感電させたという。
番号二番、エーリカ・ブラウアー。
ブラウアー子爵家令嬢で、成績表を見る限りシンプルに勉強が苦手なのだと思われる。
番号三番、ルッツ・ライトマイヤー。
ライトマイヤー男爵家子息で、成績は普通だがなぜか前期試験当日に逃亡したため、欠席扱い。
番号四番、エルヴィン・シュナイト。
ハイゼンベルク伯爵の甥で、全ての成績に斜線が入っている。授業に参加していないということのようだ。
番号五番、リュディガー・ベイル。
商家ベイル家の長男。成績は普通でむしろ補助科目の武術などで好成績を収めているが、「異性関係で指導済み」という記述がある。どうやら色男攻略対象は一年次は、女性がらみで揉めたようだ。
最後の番号六番、レーネ・トンベック。
騎士の娘で、成績は普通。授業中に隠れて菓子を食べていたことで指導されたが、前期試験中も隠し持っていた菓子を食べていたようだ。
スートニエ魔法学校は全寮制で、教員も独身者は宿舎棟で暮らしている。今頃ディアナの荷物は、男爵家の使用人たちが運んでくれているはずだ。
「それから気になっているだろう、一年補講クラスの生徒名簿ね」
フェルディナントが渡してきたのは、数枚の紙を綴じた薄い冊子だ。表紙には、「四十九期生一年補講クラス名簿」とでかでかとした字で書かれている。
緊張しつつ表紙をめくると、目次のような形の生徒名一覧があった。
(もしかしなくても、ゲームで出てきたキャラの名前が……あ、あった!)
縦に並んだ名前の五番目に、ゲームの恋愛攻略対象の一人であるリュディガー・ベイルの名前が。
彼は「ちょっとチャラい色男」キャラで、ヒロインの一つ先輩。人気投票で同級生の王子様を抑えて堂々と一位を獲得したのが、この男だったはずだ。
(ということは、ヒロインが入学するのは次の春で決定ね……って、あれ? リュディガーは、補講クラスだったの?)
ゲームでのリュディガーは普通の二年生で、ヒロインに年上の色気で迫ってくるキャラだったはずだ。前世の自分もリュディガーは結構気に入っていたので、彼のルートは何回かプレイしている。
だが、彼が一年時に補講クラスだったというのは初耳だ。ゲーム内で聞ける情報は、「ちょっとやんちゃしている」くらいだったと思う。
(……ええと、ええと。ゲームでもディアナが補講クラスを担任したのだったら……少なくともリュディガーは進級できて、他にも最低二人は二年生になれたってことかな……?)
ゲームに出てくるからには、ディアナも正式採用されたはず。
ということは、リュディガーに関してはディアナが少々手を抜いても勝手に進級してくれる……のかもしれない。
もう一枚めくると、各生徒についての情報がまとめられていた。名簿は、身分順で並んでいるようだ。
番号一番、ツェツィーリエ・マルテ・ヴィンデルバンド。
ヴィンデルバンド侯爵家令嬢で、魔力は高くて基礎学力も身についているが、コントロール力が壊滅的。先の試験では魔法実技で雷魔法のコントロールに失敗して、同級生数名を感電させたという。
番号二番、エーリカ・ブラウアー。
ブラウアー子爵家令嬢で、成績表を見る限りシンプルに勉強が苦手なのだと思われる。
番号三番、ルッツ・ライトマイヤー。
ライトマイヤー男爵家子息で、成績は普通だがなぜか前期試験当日に逃亡したため、欠席扱い。
番号四番、エルヴィン・シュナイト。
ハイゼンベルク伯爵の甥で、全ての成績に斜線が入っている。授業に参加していないということのようだ。
番号五番、リュディガー・ベイル。
商家ベイル家の長男。成績は普通でむしろ補助科目の武術などで好成績を収めているが、「異性関係で指導済み」という記述がある。どうやら色男攻略対象は一年次は、女性がらみで揉めたようだ。
最後の番号六番、レーネ・トンベック。
騎士の娘で、成績は普通。授業中に隠れて菓子を食べていたことで指導されたが、前期試験中も隠し持っていた菓子を食べていたようだ。