御曹司からの愛を過剰摂取したらお別れするのが辛くなります！
「碧唯、今日はお招きありがとう！　さぁ、みんな食べて！」
　みちるさんは得意げになって、笑顔でみんなに勧める。
「私、こっちに座ります。凜々子ちゃん、一緒に座ろう」
　紗奈さんは私のことを誘い、ソファーに座る。目の前には私の作った料理が並んでいる。

「いただきます！　どれからいただこうかな？」
　紗奈さんが目を輝かせて私の料理を見ながら、トングで取り皿に取り分けていく。
「じゃあ、俺もこっちに座る」
「えー！　碧唯は駄目だよ、こっちじゃなきゃ」

　碧唯さんは自分のドリンクを持ち、ソファーに座ろうとしたが、みちるさんがそれを阻止した。みちるさんは碧唯さんの腕に自分の腕を絡ませている。

「おい、ちょっとやめろよ」
　碧唯さんがみちるさんの腕を振り払おうとした時、手に持っていたグラスから赤ワインがこぼれた。赤ワインは、みちるさんの身体のラインがでている細身のワンピースにかかってしまう。

「やだ、コレ、お気に入りだったのにぃ！」
　みちるさんはワインが染み込んだワンピースを引っ張りながら、碧唯さんではなく私を睨みつける。
「今すぐ拭きますね」

　私は慌ててタオルを持ってこようとすると、「大丈夫、クリーニングに出すから。それよりも凜々子さんの服を貸してくださらない？」と言われた。
「分かりました。クリーニングにお出しして、お返しします」
「そうね、そうしてくれると助かる！　できれば帰りまでに受け取るか、無理だったら碧唯からあとで受け取るわ。とりあえず、クリーニングに出してきてくれない？」
　みちるさんは当たり前のように、私にお願いをしてくる。

「はい。では、みちるさんが着替えをしたらすぐに行って参ります」
「ありがとう、よろしくね」
　みちるさんを私の部屋に案内して、クローゼットの中から洋服を選んでもらう。私はその間にワインで汚れてしまったかもしれないので、身体を拭くための濡らして温めたタオルを準備する。
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