御曹司からの愛を過剰摂取したらお別れするのが辛くなります！

「碧唯がずっと凜々子ちゃんのことが心配で、窓の外を眺めたり、ずっとソワソワしてた」
「そんなことはない、お前の勘違いだ！」
「またまたぁ、照れちゃって！」
　この他にも碧唯さんが私を迎えに行こうとしたことや、私が席を外していた時間の出来事を片岡さんが教えてくれた。すると碧唯さんは慌てて否定していた。

「ふふっ、碧唯さんて凜々子ちゃんが大好きなんですね」
　横で聞いていた紗奈さんがクスクスと笑い出す。碧唯さんはというと……照れ隠しなのか、この場から消えていた。

「碧唯！　凜々子さんが出してきてくれたクリーニングが仕上がったら、持ってきてくれない？　待ち合わせて、たまにはランチでもしよ！」
　碧唯さんがリビングに戻ると、すかさず、みちるさんが絡んでいた。

「クリーニングは自宅に送る。待ち合わせもしない」
「えー！　何で？　友達なんだからいーでしょ？」
　みちるさんは子供みたいに頬を膨らませながら、上目遣いで碧唯さんを見ている。
「俺はもう既婚者だから、みちると二人きりでは会わない。……というか、みちるとは今日限り、縁を切る」
「は？　冗談でしょ？」
　碧唯さんとみちるさんのやり取りが聞こえて、辺りは騒然とする。

「冗談ではない。俺の妻が料理を用意すると言ったのにわざわざケータリングをして、わざとワインがこぼれるように仕向けただろ？」
　碧唯さんは鋭い眼差しをみちるさんに向ける。

「ケータリングはお祝いだよ？　それにわざと仕向けてなんてない！」
　みちるさんの顔は青ざめている。慌てて否定するが、碧唯さんは、「金輪際、連絡してくるな。元カノだろうが友達だろうが、妻を傷つけた奴とは縁を切る」と言い放った。