御曹司からの愛を過剰摂取したらお別れするのが辛くなります!
「可愛げのない女だな。俺が購入しろと言ってるのだから、服でも化粧品でも購入すればいい」
碧唯さんを不機嫌にさせてしまった。運転している横顔を見るだけで分かる。
「……はい。じゃあ、碧唯さんとお揃いのマグカップを購入してもいいですか?」
「好きにしろ」
碧唯さんは私の顔をチラッと見たような気もしたが、気のせいだったのか。
私は服や化粧品も今持っているもので充分だと思っているし、それよりも碧唯さんとの新生活に向けて心が躍るようなものを購入したい。碧唯さんが好きにしろと言ってくれたのだから、お言葉に甘えてそうさせてもらおう。
「ここは来たことがあるか?」
「いえ、初めてです」
碧唯さんが連れて来てくれたのは都心を離れた場所にある近県の大型ショッピングモール。駐車場も広くて、開放感がある。
「ここなら何でも揃うらしいし、ドライブがてらちょうどいいと思った」
「ふふっ、そうなんですね」
車から降りて背伸びをした後、碧唯さんから話しかけられた。不器用で無愛想に見える碧唯さんなりに、私と距離を詰めようとしてくれていることが嬉しい。
「とりあえず、昼食をとってから買い物をしよう」
碧唯さんは左腕に着けている腕時計をチラッと見た。
「もうすぐ十一時半なんですね。そうしましょう」
ショッピングモールの中に入ると、まずは二人でレストランを探す。
「昼食は何がいい? 凜々子が好きなものにしよう」
「え! いいんですか?」
「あぁ。俺は好き嫌いはないからな」
照れ隠しなのか、そんなことを言ってきた碧唯さん。お見合い結婚だとしても私を精一杯に愛してくれようとしてるのか、とても気遣ってくれる。
碧唯さんは普段から笑わないので綺麗な顔立ちを崩すことはない。だが、何を食べようか迷っている私と目があった時は口角が上がっていたような気がする。碧唯さんの顔を覗きこみ、すぐにでも顔を見たかったがやめておいた。少しだけでも笑みを浮かべてくれただけで、私は幸せだから。「碧唯さん、ハンバーグでもいいですか?」
「ハンバーグ?」
「はい、ハンバーグが食べたいです!」
碧唯さんとテナントのどの店にしようかとショッピングモールの中を歩いていた時、ハンバーグ専門店を見つけた。私はハンバーグ専門店の入り口付近に置いてあるメニューの前で立ち止まる。
「お子様だな」
「ハンバーグ嫌でした? なら、違うお店に……」
無愛想そうに碧唯さんに呟かれ、私は諦めようと思った。ハンバーグなんて子供っぽくて、碧唯さんはやっぱり嫌だよね……。
「いらっしゃいませ、何名様ですか?」
「二名です。凜々子、行くぞ」
私はお店の前から立ち去ろうとした時、碧唯さんから左手をグイッと掴まれた。
「え、あ、いいんですか?」
「いいも何も、既に席を案内してもらっている」
ふと碧唯さんの口角が上がったような気がした。
「ありがとうございます……」
碧唯さんが嫌がっていたように見えたのに、スタッフが来るとあっさりとテーブル席に案内してもらった。私は少しだけ拍子抜けしてしまう。
「どのハンバーグにする?」
「私は……和風おろしハンバーグにします」
「そうか。俺はチーズを乗せて目玉焼きもつける。あとソーセージも」
碧唯さんがオーダーしようとしているハンバーグを聞いて、私は目を丸くする。意外や意外、碧くんさんが選んだのはこってり系だった。
「何だよ?」
真っ直ぐに碧唯さんを見ていたことを気付かれ、不機嫌そうに問いかけられる。
「ふふっ、もっとあっさり系をオーダーするのかと思ってましたから」
「……幼い頃から、ハンバーグにはチーズと目玉焼きと決まっている」
「そうでしたか」
碧唯さんを不機嫌にさせてしまった。運転している横顔を見るだけで分かる。
「……はい。じゃあ、碧唯さんとお揃いのマグカップを購入してもいいですか?」
「好きにしろ」
碧唯さんは私の顔をチラッと見たような気もしたが、気のせいだったのか。
私は服や化粧品も今持っているもので充分だと思っているし、それよりも碧唯さんとの新生活に向けて心が躍るようなものを購入したい。碧唯さんが好きにしろと言ってくれたのだから、お言葉に甘えてそうさせてもらおう。
「ここは来たことがあるか?」
「いえ、初めてです」
碧唯さんが連れて来てくれたのは都心を離れた場所にある近県の大型ショッピングモール。駐車場も広くて、開放感がある。
「ここなら何でも揃うらしいし、ドライブがてらちょうどいいと思った」
「ふふっ、そうなんですね」
車から降りて背伸びをした後、碧唯さんから話しかけられた。不器用で無愛想に見える碧唯さんなりに、私と距離を詰めようとしてくれていることが嬉しい。
「とりあえず、昼食をとってから買い物をしよう」
碧唯さんは左腕に着けている腕時計をチラッと見た。
「もうすぐ十一時半なんですね。そうしましょう」
ショッピングモールの中に入ると、まずは二人でレストランを探す。
「昼食は何がいい? 凜々子が好きなものにしよう」
「え! いいんですか?」
「あぁ。俺は好き嫌いはないからな」
照れ隠しなのか、そんなことを言ってきた碧唯さん。お見合い結婚だとしても私を精一杯に愛してくれようとしてるのか、とても気遣ってくれる。
碧唯さんは普段から笑わないので綺麗な顔立ちを崩すことはない。だが、何を食べようか迷っている私と目があった時は口角が上がっていたような気がする。碧唯さんの顔を覗きこみ、すぐにでも顔を見たかったがやめておいた。少しだけでも笑みを浮かべてくれただけで、私は幸せだから。「碧唯さん、ハンバーグでもいいですか?」
「ハンバーグ?」
「はい、ハンバーグが食べたいです!」
碧唯さんとテナントのどの店にしようかとショッピングモールの中を歩いていた時、ハンバーグ専門店を見つけた。私はハンバーグ専門店の入り口付近に置いてあるメニューの前で立ち止まる。
「お子様だな」
「ハンバーグ嫌でした? なら、違うお店に……」
無愛想そうに碧唯さんに呟かれ、私は諦めようと思った。ハンバーグなんて子供っぽくて、碧唯さんはやっぱり嫌だよね……。
「いらっしゃいませ、何名様ですか?」
「二名です。凜々子、行くぞ」
私はお店の前から立ち去ろうとした時、碧唯さんから左手をグイッと掴まれた。
「え、あ、いいんですか?」
「いいも何も、既に席を案内してもらっている」
ふと碧唯さんの口角が上がったような気がした。
「ありがとうございます……」
碧唯さんが嫌がっていたように見えたのに、スタッフが来るとあっさりとテーブル席に案内してもらった。私は少しだけ拍子抜けしてしまう。
「どのハンバーグにする?」
「私は……和風おろしハンバーグにします」
「そうか。俺はチーズを乗せて目玉焼きもつける。あとソーセージも」
碧唯さんがオーダーしようとしているハンバーグを聞いて、私は目を丸くする。意外や意外、碧くんさんが選んだのはこってり系だった。
「何だよ?」
真っ直ぐに碧唯さんを見ていたことを気付かれ、不機嫌そうに問いかけられる。
「ふふっ、もっとあっさり系をオーダーするのかと思ってましたから」
「……幼い頃から、ハンバーグにはチーズと目玉焼きと決まっている」
「そうでしたか」