御曹司からの愛を過剰摂取したらお別れするのが辛くなります!
「んっ、碧唯さん!」
 碧唯さんの指が裾の隙間から伸びてきて、ブラジャーの中まで到達する。私は経験が一度もなく、男性に素肌を触られたことがない。

「妻としても役目を果たしたいと以前言ってたよな? 今日からは果たしてもらおうか?」
「え、ちょっと……! わ、私……初めてだから」
 いつの間にかブラジャーのホックも外されたのだが、私はパニック寸前である。ドキドキも止まらなくて、どうにかなってしまいそう。

「……なるべく優しくする」
 碧唯さんはそう言いながら私の身体をそっと回転させて、自分の方に向ける。
「何もかもが、は、初めてで……」
 私は碧唯さんの腕の中にスッポリと収められた。

「分かった。明日は休みだから時間をかけて、じっくりと凜々子を愛したい」
「そ、そうじゃなくて……!」
 碧唯さんには私の声は届かないようだ。碧唯さんの顔がそっと近付いてきて、私の唇に柔らかい感触がした。私は碧唯さんにキスをされたのだ。

「可愛いな、凜々子は。もっと可愛い顔を見せて」
 自信と大人の余裕たっぷりの碧唯さんは、私に優しく触れながら心も身体も解きほぐしていく。甘さだけではない痛みも同時に知った。

 翌朝、目が覚めると私の隣には上半身が裸の碧唯さんが寝ていた。私は昨晩の出来事を思い出しては、顔を赤らめる。
 私、碧唯さんに抱かれたんだ……。

 あんなに無愛想で口の悪い碧唯さんが一気に甘くなり、壊れ物を扱うようにとても丁寧に触れてくれた。身体のあちこちに赤い蕾がつけられ、たくさん愛されたのだと実感する。

「凜々子、起きたのか?」
「……はい。ごめんなさい、起こしちゃいましたね」
 隣に寝ている碧唯さんは薄らと瞼をあけて私を見ている。
「もう少しだけ寝よう」
 起きようとした私は、碧唯さんによってベッドに引き戻された。心做しか、腰の辺りが重だるく、下半身には違和感を感じる。
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