愛の重い彼との秘密の時間

秘密の時間の始まり

目が大きくて、二重で、鼻が高くて、歯並びがキレイな。


そんな女の子に生まれてきたかった。


「化粧でなんとでもなるよ」

「琉斗(りゅうと)くんは顔が整っているから簡単に言えるんだよ」


保育園からずっと一緒の琉斗くんとは、中学生になってもお互いの家に行き来するほど仲がいい。


「サエは充分かわいいよ」

「お世辞はいりませーん」


今日は琉斗くんの家の部屋で、一緒に宿題。苦手な数学を教えてもらうため。

秀才だし、スポーツも一通り何でもこなせる彼は人気者だ。それなのに人を見下すこともしない。優しくて穏やかな性格。

細身の長身なのに、たれ目でふわふわの猫っ毛。そのギャップから見た目だけでよく他校の女の子からも声をかけられる。

幼なじみとして鼻が高い。

(実際の私の鼻はもう少し高くしたいと切望)


< 1 / 9 >

この作品をシェア

pagetop