愛の重い彼との秘密の時間
「将来お金を自分で貯めて整形するんだ」

「いや、本気でやめて」

「なんで?」

「俺は今の顔のサエが好きだから」


ぽかんと口を開ける私。漫画の世界だったら、私は主人公の親友にもなれないモブレベルの顔面偏差値だと思う。コンプレックスは冒頭で述べた通り。唯一好きなところは、髪が天使の輪っかができるほど、サラサラなストレートなところ。


優しい琉斗くんはいつも私の自己肯定感を上げてくれる言葉を言ってくれる。ありがたいよ。ありがたいけどさ……。

(現実は甘くないのだ)



「ありがとー。ね、この数式分からないから教えて」

「分かってないのは数式だけじゃない。俺の気持ち、分かってる?」


意味が分からず顔をあげる。
真剣な琉斗くんの表情に。

(あ、これ本気で怒ってるやつだ)

ため息をついて、右手で頭を抱えた。


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