愛の重い彼との秘密の時間


「や、やめっ」

「やめない」

歯から舌の上にのる指。
奥から前に。右から左に。

イヤでも唾液が出る。


指が動くたびに、くちゅくちゅと音がなる。


な、なんか。すごくエッチなことをされている気がする! 私のだらしないだろう顔を妖艶な顔で琉斗くんが微笑んで見下ろす。


「サエ、すごくかわいいよ」



初めて見る表情に身体中が熱くなる。頭の中がおかしくなりそう。



「や、や、やややめてって言ってるでしょー!」


私は自由な足を伸ばして、ひたすら暴れて、やっと琉斗くんの腕の中から解放された。


「バカ、エッチ!」


罵倒しながらも、自分の唾液がついた琉斗くんの指を急いでポケットからハンカチを出して拭きとる。

決してキレイじゃないものを他人の指につけさせておきたくなかったから。
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