愛の重い彼との秘密の時間


「あー舐めたかった」

「ほ、本気で怒るよ?」

「怒った顔も大好きだよ。ね、少しは自分の魅力に気付いてくれた?」


ここでイエス以外の返事をしたら、とんでもないことになりそう。だから。


「分かったよ!」


プクプクと頬をふくらませてぶっきらぼうに言った。

琉斗くんは嬉しそうに目を細めて優しく笑う。

あ、あれ。美形の琉斗くんの顔は見慣れているはずなのに。

なんでこんなにドキドキするの。


「今日のこと、ふたりだけの秘密だよ」

「秘密?」

「こんなにかわいくてエロいサエの顔は誰にも見せたくないし。他人になんか絶対に知られたくない」

「え、エロいって自覚あって、やっていたの?」

「うん」

再び頭を抱える。何なんだろう? ……思春期? 思春期で女の子のそういう姿を見たかった?

だったら私じゃなくて琉斗くんのことが好きな女の子と……。
< 6 / 9 >

この作品をシェア

pagetop