好きになんてならない
「あれが涼の言ってた高嶺の花だよな?」
ずっとポカーンとしていた涼に話しかける。
「そう。
こんな間近見れるなんて思わなかったわ。
近くだと美人すぎて迫力ありすぎた……。」
涼の言う通りだ。
あの顔であんな感じの性格。
女の子特有のキャピキャピした感じがなくて少しキツそうに見える。
でもなんかそれが…
「俺、声掛けに行ってみようかな」
俺の男心くすぐるというかあのポーカーフェイスを剥がしてみたい。
「え!?マジで!?
なになになになにどうしたの周!?」
涼がこれだけ驚くのも無理もない。
俺がこういう事で動くことって今までなかったから。
「一目惚れでもした?!!」
一目惚れ?
俺が?
それはさすがにないだろ。
「ただ単純に落としてみたくなっただけ」