好きになんてならない
「佐久間先輩!」
下駄箱からローファーを取り、玄関で履こうとした時に誰かが私を呼んだ。
佐久間先輩って私だよなとキョロキョロ周りを見る。。
声がした方に顔を向けると何とも記憶に新しい顔がそこにはあった。
「君……お昼の…。」
例の宮下君だ。
一体私に何の用?
「覚えててくれたんですね!
良かったら一緒に帰ってもいいですか?」
サラッとそんな事を言うから下校途中の他の生徒がザワつき始める。
人気の人に一緒に帰ろうなんて言われてるのがファンの子達にバレたら最悪すぎる。
「目立つの好きじゃないから一緒に帰ることは出来ない。」
私の言葉に宮下君は急いで靴を履いて私の隣に来る。
「それなら走ってさっさと学校から出ましょ!」
宮下君はそう言って私の手を引っ張って走り出した。
「ちょっと…!!」
………え、なにこれ……………最悪すぎる。