好きになんてならない
「はぁっ…はぁっ…
ちょっと………手離して!」
校門を出てある程度走った所で私は宮下君の手を思い切り振り払った。
ほぼ初対面も同然なのにいきなり何なの?
「無理矢理引っ張っちゃってすみません。
でもお昼に会った時から先輩の事気になっちゃって。」
そんな事言われたらきっと他の子達は顔を真っ赤にして喜ぶんだろうけど…
「私はそういう言葉信じないタイプだから言うのやめてくれる?」
私のピリついた空気に宮下君は少し苦笑い気味。
別に宮下君に性格が悪いって思われようが可愛げがないって思われようが構わない。
「先輩って思ってたより堅物なんですね〜。
今までの女の子は結構単純だったんですけど」
そう言いながら宮下君は少し意地悪い顔をした。