好きになんてならない
「はぁ…」
宮下君の言葉と態度に深いため息が出た。
これは完全に顔だけがいい性格悪い男だわ。
怜菜には後できっちり説明してあげなきゃ。
「そんなため息つかないでくださいよ。
先輩って今彼氏とかいたりするんですか?」
あー……もう早く帰りたい。
なんでわざわざ私のプライベートを教えなきゃいけないの?
「別にどっちでもいいでしょ。
宮下君には関係ないんだから。」
なんて男なの……。
やっぱり顔がいい男に性格までいい男は滅多にいないな。
「そんなツンツンな性格なら彼氏いなそうですね」
フッと笑って私を挑発するような表情を見せた。
さすがにそんな事言われたら私でもイラッとする。
「ふざけるのもいい加減にしてくれる?
私もう帰るから」
クルッと背を向けて歩き出す私の手首を宮下君はまた掴んだ。