憎き上司の子を懐妊したのち、引くほど溺愛されている件について。
エリート上司の素顔
結城修吾。
若くして部長を任された、社内でも珍しいエリート中のエリート。
しかも容姿端麗、頭脳明晰。
世の男性たちが欲しがる物を全て持っているのでは…。
誰もがそう思うほどの、完璧人間。
……だと思っていたのに。
この人…変な性癖の持ち主だった。
好きな人に嫌われたいって。
普通の感覚では有り得ない。
そして嫌われるために、本当に嫌われるような行動をするなんて。
頭がおかしいにも程がある。
その上、結城さんは私のことが昔から好きだったなんて。
急に言われても…感情が追い付かない。
結城さんの子を妊娠しても。
結城さんに好きだと言われても。
今更何を言っているのって感じ。
かつて私は、結城さんのことが好きだった時期もあるけれど。
今はもう…何を言われても。私は変わらず、結城さんのことが大嫌いだ…。