天使と悪魔の学園へ、ようこそ! ~男装地味子の絶対バレてはいけないヒミツ♥~
◆ ◆ ◆

 今朝も大変な目に遭った。
 ひと目生徒会を見たい生徒たちに揉みくちゃにされた。
 これがほぼ毎日続くのかと思うと嫌になる。
 というか、これ、私本当に居る意味ありますか? 

「おい、お前……」

 そして、教室に入って、東条くんのこの顔である。
 絶賛呆れてらっしゃる。
 いや、無理だって、一人じゃあの数の生徒を止められるわけがない。
 私人間だし。

「晩、だから、そんな目で見るなよ、雪も頑張ってるんだって」

 苦笑いを浮かべた闇くんがフォローしてくれている。
 昨日の会話もあって、一人でも味方が出来たみたいで嬉しい。
 他の生徒に妬まれるけど、それでも嬉しい。

「ありがとうございます、闇くん」

 私は黒縁メガネのこちら側で控えめにニコッと笑った。

「あ? なに親しげに呼んでんだよ?」

 そんな私に東条くんがムッとした顔をする。
 あ、私、二人の仲を邪魔しちゃった?

「すみません、もしかして、闇くんと呼んでいいのは東条くんだけでしたか?」

 私がそう言った瞬間

「くくっ」

 闇くんが声を押し殺すように笑った。

「そういう意味じゃねぇよ、もう黙ってろ」
「分かりました」

 むすっとしたままの東条くんに言われて、私は素直に口を閉じた。
 はっきり言ってくれればいいのに、彼は言ってくれない。

「ほら、授業始めるぞ」

 加賀美先生が教室に入ってきて、今日も慌ただしい学園生活が始まった。
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