天使と悪魔の学園へ、ようこそ! ~男装地味子の絶対バレてはいけないヒミツ♥~
◆ ◆ ◆
同日、放課後、誰が私を人間だと密告したのか分かることになる。
「見つけたわよ、白鳥 雪」
寮に帰ろうと思ったら、サッカーボールが一つだけ校庭に残っていて気になって体育倉庫に片付けに行った。
そしたら、急に後ろから声を掛けられ、倉庫に一人だから嫌な予感がした。
振り返ると同じクラスの女子生徒、門松さんが立っていた。長い黒髪、茶目の綺麗系女子だ。
なんだろう、本能で分かる。この人……
「昨日は京極様がいて、あなたを拘束出来なかったから今日はちょうど良かったわ」
「え?」
門松さんが体育倉庫の扉の取っ手を掴んで私は焦った。
「ちょ」
慌てて彼女に近付く。
「ここで大人しくしてなさいよ! あなたうざったいの!」
「いっ」
――え、痛!
まさか足を引っかけられて転ばされるとは思わなかった。
さすが悪魔組、卑怯すぎる、とか言ってる場合じゃない。
扉を完全に閉められてしまった。
しかも、なんか鎖と錠前までしてる音が聞こえてる。
嘘でしょ? まだ入学して三日目なのに、私、襲われたんですけど!
「あの! 出してください!」
無駄だとは分かってるけど、一応扉を叩いてお願いしてみた。
こんなのベタ過ぎるって……。
私、貧乏だからスマホも持ってないんだよね。
自分がこんなに落ち着いているのが、少し不思議だ。
手こずっているのか、まだ外から鎖の音がしている。
それが、急に静かになった。
もしかして、もう行ってしまった?
これはさすがにまずくなってきた。
同日、放課後、誰が私を人間だと密告したのか分かることになる。
「見つけたわよ、白鳥 雪」
寮に帰ろうと思ったら、サッカーボールが一つだけ校庭に残っていて気になって体育倉庫に片付けに行った。
そしたら、急に後ろから声を掛けられ、倉庫に一人だから嫌な予感がした。
振り返ると同じクラスの女子生徒、門松さんが立っていた。長い黒髪、茶目の綺麗系女子だ。
なんだろう、本能で分かる。この人……
「昨日は京極様がいて、あなたを拘束出来なかったから今日はちょうど良かったわ」
「え?」
門松さんが体育倉庫の扉の取っ手を掴んで私は焦った。
「ちょ」
慌てて彼女に近付く。
「ここで大人しくしてなさいよ! あなたうざったいの!」
「いっ」
――え、痛!
まさか足を引っかけられて転ばされるとは思わなかった。
さすが悪魔組、卑怯すぎる、とか言ってる場合じゃない。
扉を完全に閉められてしまった。
しかも、なんか鎖と錠前までしてる音が聞こえてる。
嘘でしょ? まだ入学して三日目なのに、私、襲われたんですけど!
「あの! 出してください!」
無駄だとは分かってるけど、一応扉を叩いてお願いしてみた。
こんなのベタ過ぎるって……。
私、貧乏だからスマホも持ってないんだよね。
自分がこんなに落ち着いているのが、少し不思議だ。
手こずっているのか、まだ外から鎖の音がしている。
それが、急に静かになった。
もしかして、もう行ってしまった?
これはさすがにまずくなってきた。