天使と悪魔の学園へ、ようこそ! ~男装地味子の絶対バレてはいけないヒミツ♥~
◆ ◆ ◆
「ようこそ、僕の部屋へ」
寮に帰って、今日は西園寺くんの部屋に足を踏み入れた。
扉を入って、ぎょっとする。
なんか、西園寺くんの部屋だけ、知らないお兄さんが居るんですけど……!
キッチンのほうにコックさんみたいな格好をした若いお兄さんが立っていた。
なんか顔が厳つくて、別の意味での調理もしてませんか? って感じだ。
「ああ、中堂さんは僕専属のシェフ兼パティシエなんだ。好きなものを頼むといいよ。全部作ってくれるから」
私の視線に気が付いたのか、西園寺くんが説明してくれた。
――西園寺くん、桁違いだった!
とりあえず、ぺこっと軽く頭だけ下げておいた。
ぺこっと頭を下げ返されて、あ、良い人なんだ、と思った。
あの人も天使なのかな。
「ああ、ただケーキとかは仕込みが必要だから、本日のケーキとかしかないんだけど」
思い出したように西園寺くんが言った。
「いえ、あの、大丈夫です。なんでも好きです」
高級食材とか食べたことないから分かんないけど、貧乏な私はなんでも食べないといけなかったから好き嫌いがない。
「じゃあ、中堂さん、コースで出してもらっていいですか? デザート重視で」
いつもそうしてるのか、西園寺くんの言葉に無言で頷いて、中堂さんは料理を準備し始めた。なんだか落ち着かない。
「そんなに緊張しなくて良いんだよ? ここを家だと思って良いんだから」
白いクロスのかかったテーブルにつきながら、西園寺くんは私に言った。
「正直、無理です。初めての体験にドキドキしています」
私も彼の真似をしながら椅子に座り、何かを言った。
緊張して、無理しか覚えてない。
だって、お金持ちのお家になんて遊びに行ったことはないんですって。
もういま、私、表情なくしてますって。
「君は本当に正直で面白いな」
目の前に座っている西園寺くんが楽しそうでなによりだ。
「ようこそ、僕の部屋へ」
寮に帰って、今日は西園寺くんの部屋に足を踏み入れた。
扉を入って、ぎょっとする。
なんか、西園寺くんの部屋だけ、知らないお兄さんが居るんですけど……!
キッチンのほうにコックさんみたいな格好をした若いお兄さんが立っていた。
なんか顔が厳つくて、別の意味での調理もしてませんか? って感じだ。
「ああ、中堂さんは僕専属のシェフ兼パティシエなんだ。好きなものを頼むといいよ。全部作ってくれるから」
私の視線に気が付いたのか、西園寺くんが説明してくれた。
――西園寺くん、桁違いだった!
とりあえず、ぺこっと軽く頭だけ下げておいた。
ぺこっと頭を下げ返されて、あ、良い人なんだ、と思った。
あの人も天使なのかな。
「ああ、ただケーキとかは仕込みが必要だから、本日のケーキとかしかないんだけど」
思い出したように西園寺くんが言った。
「いえ、あの、大丈夫です。なんでも好きです」
高級食材とか食べたことないから分かんないけど、貧乏な私はなんでも食べないといけなかったから好き嫌いがない。
「じゃあ、中堂さん、コースで出してもらっていいですか? デザート重視で」
いつもそうしてるのか、西園寺くんの言葉に無言で頷いて、中堂さんは料理を準備し始めた。なんだか落ち着かない。
「そんなに緊張しなくて良いんだよ? ここを家だと思って良いんだから」
白いクロスのかかったテーブルにつきながら、西園寺くんは私に言った。
「正直、無理です。初めての体験にドキドキしています」
私も彼の真似をしながら椅子に座り、何かを言った。
緊張して、無理しか覚えてない。
だって、お金持ちのお家になんて遊びに行ったことはないんですって。
もういま、私、表情なくしてますって。
「君は本当に正直で面白いな」
目の前に座っている西園寺くんが楽しそうでなによりだ。