天使と悪魔の学園へ、ようこそ! ~男装地味子の絶対バレてはいけないヒミツ♥~
「教師なんかに触らせんなよ」
「どこも触られてません」
左手を降参するように上げる。
なにをそんなに怒っているのだろうか。
加賀美先生には犬猫みたいに頭わしゃわしゃとかされたけど、それ以外は別に触られてない。
「ああ、クソッ」
「わっ」
今夜の東条くんは一体、どうしたのだろうか。
急にガバッと私を抱きしめたりして。
「仕方ねぇから、お前には俺のことを晩と呼ばせてやる」
「はあ」
どうして、そんなことを言うのか。
意味が分からなくて、私は間の抜けた声を出してしまった。
「なんで、お前はそんな……――もういい、風呂入って着替えろ。制服、皺になるぞ」
私から身体を離して、東条くんはすごく嫌そうな顔でベッドから降りた。
言われて初めて自分がまだブレザーを脱いだだけの制服姿であることに気付く。
――制服、脱がさないでいてくれたんだ。
危なかった、これで着替えさせられてたら、多分、東条く……晩くんに私が人間で女だってバレてた。
ほっと気が抜ける。
一人になりたかったけど、連れ戻されてしまったのなら仕方ない。
誰も探しに来てくれなかった初日よりはいいじゃないか、と思うことにした。
というか、晩くん、心配して迎えに来てくれたのかな?
「あの……」
「それと、一人になりたいなら、してやるから」
私がお礼を言う前にそう言って、東条くんは部屋から出て行って、次の朝も戻ってくることはなかった。
「どこも触られてません」
左手を降参するように上げる。
なにをそんなに怒っているのだろうか。
加賀美先生には犬猫みたいに頭わしゃわしゃとかされたけど、それ以外は別に触られてない。
「ああ、クソッ」
「わっ」
今夜の東条くんは一体、どうしたのだろうか。
急にガバッと私を抱きしめたりして。
「仕方ねぇから、お前には俺のことを晩と呼ばせてやる」
「はあ」
どうして、そんなことを言うのか。
意味が分からなくて、私は間の抜けた声を出してしまった。
「なんで、お前はそんな……――もういい、風呂入って着替えろ。制服、皺になるぞ」
私から身体を離して、東条くんはすごく嫌そうな顔でベッドから降りた。
言われて初めて自分がまだブレザーを脱いだだけの制服姿であることに気付く。
――制服、脱がさないでいてくれたんだ。
危なかった、これで着替えさせられてたら、多分、東条く……晩くんに私が人間で女だってバレてた。
ほっと気が抜ける。
一人になりたかったけど、連れ戻されてしまったのなら仕方ない。
誰も探しに来てくれなかった初日よりはいいじゃないか、と思うことにした。
というか、晩くん、心配して迎えに来てくれたのかな?
「あの……」
「それと、一人になりたいなら、してやるから」
私がお礼を言う前にそう言って、東条くんは部屋から出て行って、次の朝も戻ってくることはなかった。