天使と悪魔の学園へ、ようこそ! ~男装地味子の絶対バレてはいけないヒミツ♥~
私は天使組1年B組。だから、白いブレザーを着てるんだけど、本当に天使組でよかったと思う。
なぜなら、天使たちはみんな温厚で、しかもほとんどの子が元から成績がいいから人間狩りを積極的に行う子は少ないっていうから。
教室に入って自分の席に座る。ざわざわとしてるのは普通の学校っぽい。
みんな顔が整ってて、金髪とか明るくてキラキラしてて、暗い地味な男子に変装してる私はちょっと浮いてる気がする。だけど、大丈夫、いまの私は男だ。みんな人間は女子生徒の中に居ると思ってるんだから。
「みなさん席に着きましたね。それでは、みなさん、改めまして天使と悪魔の学園へ、ようこそ。私はみなさんの担任になりました甘使 偲です。よろしくお願いします
長い金髪、透き通るような金色の瞳が天使の先生って感じ。
性別は分からないし、年齢も分からないけど、やっぱり若く見える。
「理事長先生から色々と説明を受けたかと思いますが、ここからは寮について説明したいと思います」
いよいよ寮についての説明かぁ、と思う。
きっと、ここで部屋割りが決められるんだろうな。
人数が半端に余ったから一人部屋になりましたよー、とか言ってもらえないだろうか?
そう思っていたときだった。
「失礼するぞ」
赤い髪に赤い瞳の男性が入ってきた。すらっとしていて、黒いスーツを着ている。
悪魔組1年A組の担任教師、加賀美先生だ。
入学式の司会をやっていたから名前を覚えてる。
この学校、やっぱりお兄さんとしか思えないくらい若い先生しかいないのかもしれない。
「悪魔組の先生が天使組になにしに来たんだろう?」
「なにか問題があったのかな?」
クラスの子たちが心配そうにコソコソと話している。
天使組1年B組の担任教師、甘使先生と何やらアイコンタクトをする加賀美先生。
「あー、白鳥、ちょっといいか?」
――私!?
加賀美先生の声に心の中で反応する。
「は、はい」
もうすごい目立ってると思うけど、これ以上目立ちたくない私は静かに席を立って、加賀美先生のほうに向かった。
「ごめんな、お前、本当は悪魔組だったよな」
「は?」
思わず、口から間抜けな声がもれる。
天使なクラスメイトたちの前でこの人は一体なにを言っているのか。
「だった、よな?」
強調されて気付く。
「あ、はい」
ここで戸惑いを見せたら、人間だってクラスの人たちにバレてしまう。
「言い出しづらかったよな、すまん。なんかの手違いで天使組に名前が入っちまって、制服もそのうち正しいほうを届けさせるから。そういうことで一緒に来い」
何故か親しげに肩を抱かれて、教室から出ていくことになった。
セクハラです、とか言いたかったけど、いまはそれどころじゃない。
「あの地味な男の子、天使組では珍しく黒髪だから変だなと思ってたんだよね」
去り際、後ろでクラスの子たちが話してるのが聞こえてしまった。
もしかして、組替えは先生たちのご配慮ですか?
私が見た目で人間だって天使たちに怪しまれないように?
でも、悪魔組は嫌です!
だって、成績を楽に上げようって人間狩りに積極的な子たちが多いって知ってるんですからね! 私!
天使のクラスから悪魔のクラスへ。
まさに地獄へまっしぐらだ。
「まずはこれ見ろ」
悪魔組の教室は棟が違い、廊下を歩いている途中で加賀美先生が壁の掲示板を指差した。
なぜなら、天使たちはみんな温厚で、しかもほとんどの子が元から成績がいいから人間狩りを積極的に行う子は少ないっていうから。
教室に入って自分の席に座る。ざわざわとしてるのは普通の学校っぽい。
みんな顔が整ってて、金髪とか明るくてキラキラしてて、暗い地味な男子に変装してる私はちょっと浮いてる気がする。だけど、大丈夫、いまの私は男だ。みんな人間は女子生徒の中に居ると思ってるんだから。
「みなさん席に着きましたね。それでは、みなさん、改めまして天使と悪魔の学園へ、ようこそ。私はみなさんの担任になりました甘使 偲です。よろしくお願いします
長い金髪、透き通るような金色の瞳が天使の先生って感じ。
性別は分からないし、年齢も分からないけど、やっぱり若く見える。
「理事長先生から色々と説明を受けたかと思いますが、ここからは寮について説明したいと思います」
いよいよ寮についての説明かぁ、と思う。
きっと、ここで部屋割りが決められるんだろうな。
人数が半端に余ったから一人部屋になりましたよー、とか言ってもらえないだろうか?
そう思っていたときだった。
「失礼するぞ」
赤い髪に赤い瞳の男性が入ってきた。すらっとしていて、黒いスーツを着ている。
悪魔組1年A組の担任教師、加賀美先生だ。
入学式の司会をやっていたから名前を覚えてる。
この学校、やっぱりお兄さんとしか思えないくらい若い先生しかいないのかもしれない。
「悪魔組の先生が天使組になにしに来たんだろう?」
「なにか問題があったのかな?」
クラスの子たちが心配そうにコソコソと話している。
天使組1年B組の担任教師、甘使先生と何やらアイコンタクトをする加賀美先生。
「あー、白鳥、ちょっといいか?」
――私!?
加賀美先生の声に心の中で反応する。
「は、はい」
もうすごい目立ってると思うけど、これ以上目立ちたくない私は静かに席を立って、加賀美先生のほうに向かった。
「ごめんな、お前、本当は悪魔組だったよな」
「は?」
思わず、口から間抜けな声がもれる。
天使なクラスメイトたちの前でこの人は一体なにを言っているのか。
「だった、よな?」
強調されて気付く。
「あ、はい」
ここで戸惑いを見せたら、人間だってクラスの人たちにバレてしまう。
「言い出しづらかったよな、すまん。なんかの手違いで天使組に名前が入っちまって、制服もそのうち正しいほうを届けさせるから。そういうことで一緒に来い」
何故か親しげに肩を抱かれて、教室から出ていくことになった。
セクハラです、とか言いたかったけど、いまはそれどころじゃない。
「あの地味な男の子、天使組では珍しく黒髪だから変だなと思ってたんだよね」
去り際、後ろでクラスの子たちが話してるのが聞こえてしまった。
もしかして、組替えは先生たちのご配慮ですか?
私が見た目で人間だって天使たちに怪しまれないように?
でも、悪魔組は嫌です!
だって、成績を楽に上げようって人間狩りに積極的な子たちが多いって知ってるんですからね! 私!
天使のクラスから悪魔のクラスへ。
まさに地獄へまっしぐらだ。
「まずはこれ見ろ」
悪魔組の教室は棟が違い、廊下を歩いている途中で加賀美先生が壁の掲示板を指差した。