天使と悪魔の学園へ、ようこそ! ~男装地味子の絶対バレてはいけないヒミツ♥~
生徒会の三人が一斉に振り向いた。
「は? 満足いくまで生徒会の全員と付き合ってみればいいだろうが」
「いいえ」
闇くんの言葉に朝比奈さんが静かに首を振った。
「おい……」
再び何かを言おうとした闇くんの唇に朝比奈さんがそっと人差し指を添える。
みんながせっかく助けようとしてくれたのに。
ああ……、ここまでなんだ、と思った。
「密告してください」
私は突っ立ったまま、ぼそりと呟いた。
無意識じゃない。
怖くて大きな声が出なかっただけ。
「おい!」
「雪ちゃん!」
「雪くん!」
「雪!」
みんなにそんな顔をさせたくなかった。
心配と悲しみの入り交じった表情なんてさせたくなかったよ。
「白鳥……? 何言ってんだ? ――なあ、朝比奈、お前は成績も良いし、家柄的にも将来は安泰だ。そんなに躍起になって白鳥を密告する必要が本当にあるのか?」
加賀美先生もそう言ってくれるけど、先生はいち教師として私を特別扱いなんてしてはいけなかったんだ。
「もういいんです。密告してください」
私は朝比奈さんの前に行って、そう告げた。
ほんとはずっと考えてた。最初から高望みだったの。
普通の中学に行って、奨学金を借りて高校に行って、卒業して仕事して返せばよかったんだ。
生徒会のみんなを巻き込む前にこうしてれば良かったんだ。
四人と一緒に居たいなんて思っちゃいけなかったんだ。
また私、失敗しちゃった……。
いつもすぐに動けなくて、周りに迷惑を掛ける。
分かってる、自分が最低だってこと。
鈍感で、それでいて真っ直ぐすぎて、人をイライラさせる。
自分の欠点くらい、分かってるつもりだった。
「その必要はございませんわ」
朝比奈さんの一言が私の思考を止めた。
「え?」
ふっと微笑む朝比奈さんに戸惑う。
――どういうこと?
「は? 満足いくまで生徒会の全員と付き合ってみればいいだろうが」
「いいえ」
闇くんの言葉に朝比奈さんが静かに首を振った。
「おい……」
再び何かを言おうとした闇くんの唇に朝比奈さんがそっと人差し指を添える。
みんながせっかく助けようとしてくれたのに。
ああ……、ここまでなんだ、と思った。
「密告してください」
私は突っ立ったまま、ぼそりと呟いた。
無意識じゃない。
怖くて大きな声が出なかっただけ。
「おい!」
「雪ちゃん!」
「雪くん!」
「雪!」
みんなにそんな顔をさせたくなかった。
心配と悲しみの入り交じった表情なんてさせたくなかったよ。
「白鳥……? 何言ってんだ? ――なあ、朝比奈、お前は成績も良いし、家柄的にも将来は安泰だ。そんなに躍起になって白鳥を密告する必要が本当にあるのか?」
加賀美先生もそう言ってくれるけど、先生はいち教師として私を特別扱いなんてしてはいけなかったんだ。
「もういいんです。密告してください」
私は朝比奈さんの前に行って、そう告げた。
ほんとはずっと考えてた。最初から高望みだったの。
普通の中学に行って、奨学金を借りて高校に行って、卒業して仕事して返せばよかったんだ。
生徒会のみんなを巻き込む前にこうしてれば良かったんだ。
四人と一緒に居たいなんて思っちゃいけなかったんだ。
また私、失敗しちゃった……。
いつもすぐに動けなくて、周りに迷惑を掛ける。
分かってる、自分が最低だってこと。
鈍感で、それでいて真っ直ぐすぎて、人をイライラさせる。
自分の欠点くらい、分かってるつもりだった。
「その必要はございませんわ」
朝比奈さんの一言が私の思考を止めた。
「え?」
ふっと微笑む朝比奈さんに戸惑う。
――どういうこと?